『脳内ニューヨーク』

2008年 アメリカ 監督・脚本:チャーリー・カウフマン 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャスリーン・キーナー、サマンサ・モートン、エミリー・ワトソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ミシェル・ウィリアムズ、ダイアン・ウィースト、トム・ヌーナン
札幌・大阪などで上映中  公式サイト→http://no-ny.asmik-ace.co.jp/index.html

 1ヶ月ほど前に、渋谷のシネマライズにて鑑賞。今回は作品の記憶が薄れてから書いたので、抽象的な文章になってしまいました。ご了承ください。

 この映画は、『マルコヴィッチの穴』や『アダプテーション』などの脚本を書いたチャーリー・カウフマンの初監督作品。であるからして、ちょいと不思議な感じの映画だろう‥と思いつつ、観に行ったわけですが。思った以上に、摩訶不思議な映画でした。
 なんというか‥‥最初のうちは、設定もストーリーもいわゆるリアルな人間ドラマ風に見えつつも、細部には非現実的な要素が織り込まれていて、そうこうするうちにストーリー自体もかなり非現実的な展開になっていき、しだいにどれが現実でどれが夢(妄想?)でどれが劇中劇なのか分からなくなる‥‥というような構成。まあ、作品自体が一種のファンタジーというか。

 そんなわけで、解釈も評価も人によって相当分かれそうです。私の解釈としては、この映画の場合、「どれが現実でどれが夢(妄想?)で~」というような区別は、たぶん無い。すべてが現実、あるいはすべてが非現実。どちらでもいい。そういう判定には、あまり意味が無い。
 そして私の評価。「老い」を描いた作品として秀逸。や、「老い」そのものを描いたというよりも、“「老い」を意識するということ”を描いた、と言ったほうが、ふさわしいかも。いずれにせよ、かなり身にしみました。

 主人公は中年の劇作家。仕事も家庭もうまくいかず、妻子に去られ。他に好きな女性ができてもうまくいかず、後悔ばかりが積み重なる。体調も悪い。大きな仕事のチャンスを得るものの、いつまでたっても作品が完成せず、どんどん歳をとっていく。残り時間が少ない。焦りと諦めと、ほんの少しの希望。
 
 こういう心境が、実にうまく描かれていまして。当然、暗さをたっぷり含んだ映画ではあるのですが、後味はさほど悪くないです。先ほど「すべてが現実、あるいはすべてが非現実」と表現した、ある種ファンタジックな構成が、効いているのでしょう。
 例えば、もしこの題材というかテーマを、ストレートにリアリズムで映画化したら、観た後ひたすら辛くなるような作品に仕上がるんじゃないでしょうか。ただ、それはそれで、相当に迫力のある映画になるかも。特に、これと同じくフィリップ・シーモア・ホフマンが主演した場合は。
 ちなみに私にとって、フィリップ氏はかなり好きな役者さんです。トッド・ソロンズの『ハピネス』の時とか、よかったしなあ。彼には、独特の吸引力がある。

 ところで、この作品のエンドクレジットで流れる歌。妙に歌詞が映画の内容と合っていて、しかも(映画の構成とともに)作品の後味を良くしている美しい歌だな~と思ったら、監督自ら作詞したオリジナルのテーマソングでした。なるほど。

カテゴリー変更やら久々のGさんやら

 既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、記事の分類の仕方をちょっと変えました(左の「カテゴリー」部分をご覧ください)。これまでは、成人映画以外の映画作品についての記事を、「一般映画」として1つにまとめていたのですが、だいぶ数が増えてきたので、「日本」「外国」「日本と外国の合作」の3つに分けてみました。
 この分け方に、特に意味はありません。ただ分けたかっただけで。最初は、作品タイトルの五十音順で「あ行」「か行」‥‥という風に分けようとしたのですが、どうもカテゴリーの数に制限があってあまり増やせないようなので、やめました。

 こういう作業をするよりも早く記事を書けばいい‥‥のかもしれませんが、最近ちょっと忙しかったり、持病の皮膚炎がやや悪化したりで、まとまった文章を書く意欲が湧きませんでした。あとは、ブログの形式をいじりたいという衝動がまだ続いていたもので。
 でも、そのうちまた書きますよ~。前に紹介した『脳内ニューヨーク』、あと『温泉スッポン芸者』や『不良番長 どぶ鼠作戦』が候補です。

 しかしですね、もしかしたら『太陽を盗んだ男』や『青春の殺人者』について書くかもしれません。というのも、今週の土曜日に新文芸坐で、この2本が上映されるのです。しかも長谷川和彦監督のトークつき(聞き手は三留まゆみさん)。詳細はこちら→http://www.shin-bungeiza.com/
 それにしても『太陽~』から今年でちょうど30年。その今年も、もう暮れようとしています。ゴジさんは何を語るのかなあ。
プロフィール

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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