影山英俊さん、曽根中生監督を語る。

 前々回の記事「ゾンビ現場・その2」に書いたような経緯で、今月の4日、知人のHさんとともに、影山英俊さんにお会いすることができました。影山さんからは色々なお話を伺ったのですが、その中で私にとって最も興味深かったのは、曽根中生監督についてのお話です。

 ところで曽根中生監督といえば、長い間(20年くらい?)「行方不明」「生死不明」と言われていたのが、突如として、今月24日から開催される湯布院映画祭にゲストとして登場することが判明。おもにロマンポルノ好きの間で、話題になっています。
 曽根監督は一般映画も撮られていますが、やはりロマンポルノの印象が強いんですよね。私自身、曽根監督と聞くと、まず『天使のはらわた 赤い教室』、『わたしのSEX白書 絶頂度』、『新宿乱れ街 いくまで待って』など、ロマンポルノの鮮烈な作品群が、パッと頭に浮かびます。

 そして影山英俊さんは、今挙げた3本全てに出演してらっしゃる方。他にも『熟れすぎた乳房 人妻』、『不良少女 野良猫の性春』などで、曽根監督とは何度も一緒にお仕事されています。 
 私は未見なのですが、『熟れすぎた乳房 人妻』はとてもいい作品だそうで、今回Hさんは、この作品のDVDパッケージにサインをいただいていました。
 
 そんなわけで、私たちから影山さんへの最初の質問は、当然これでした。「今月下旬に、曽根中生監督が久々に公の場に出てこられるのは、ご存知ですか?」。影山さんの反応は‥‥「え!! 生きてたの?!」
 いやもう本当に、ビックリ&嬉しい! という表情で、しかも大きな声で、そう仰ったのですヨ。すかさずHさんが湯布院映画祭のパンフレットを取り出し、曽根監督の来場について書かれた部分をお見せすると、「今回、九州には行けないけど、近いうちにぜひお会いしたいなあ‥‥あなたたちは、これ行くの?」。2人とも無理だけれど、Hさんのお友達が行けそうだと告げると、「その方から曽根さんに、影山が会いたがっている、と伝えてほしい」。

 とにかく影山さんは、曽根監督を非常に敬愛してらっしゃるご様子で、「いろんな監督と組んだけれど、あの人は特別な存在だ」、「演出も作品も、他の監督と全然違う」、「また映画を撮ってほしい」と、しきりに仰っていました。
 なかでも、曽根監督の俳優に対する演出方法は、影山さんの心に強く残っているらしく。その特徴についても、熱っぽく語ってくださいました。それは、「俳優に具体的な演技指導をせず、“もう1回”“もう1回”と何度もやらせる」。つまり、「(どう演じるべきかを)俳優が自分で見つけるまで、待っている」。
 
 このお話を聞いて、私はふと相米慎二監督を連想しました。相米作品に出演した俳優さんの多くが、同じようなことを仰っているからです。
 おそらく相米監督は、俳優に対する演出方法の面で、曽根監督からかなり影響を受けたのでしょう。ロマンポルノの助監督時代に、曽根組の現場を経験された方なので、その可能性は充分あります。 
 
 奇しくも来月の9日は相米監督の命日で、亡くなってからちょうど10年。秋にはフィルメックスで、全作品が上映される予定です。そしてそういう時期に、曽根監督が久方ぶりに、公の場に登場することになり。
 きっと単なる偶然なのでしょう。しかし私は、(以前チラッと書いたように)相米監督と少し面識があったせいか、やや感傷的な気持ちで、それらのことを勝手に結び付けたくなります。

 いずれにせよ、曽根監督がご健在だったことは、本当に喜ばしい限り。いろいろと難しいでしょうが、もし可能なら新作を撮っていただきたいです。そしてその際には、もちろん影山さんをキャスティングしてくださいっ。

ゾンビ現場・その3

てなわけで、「ゾンビ現場・その1」「ゾンビ現場・その2」ときて、今回がシリーズ最終回。
友松組『レイプゾンビ』撮影現場参加記録・その3。

【8/7(日)の現場】

●これまでの2回の現場参加の折に、監督と石川さんから「できたら7日にもエキストラをやってほしい」と言われ、撮影最終日のこの日も、Hさんと一緒に参加することになりました。

●いちおう午後1時に都内の某スタジオに集合、ということになってはいたのですが、6日から7日の朝にかけての御殿場ロケが、予定より遅れる可能性もあるので、出かける前に石川さんに電話で確認することに。まずは遠方に住むHさんが、早めの時間帯にお電話したところ、撮影は予定通り進んでいて変更ナシとのこと。

●しかし、それから約1時間後に私が石川さんに電話してみると、この少しの間にトラブルが発生し、撮影に遅れが出ていました。そのため集合時間は、午後4時に変更。あとで聞いた話なども合わせて書いておくと、要するに、静岡県警にロケを中止させられ、急きょ都内に移動して、予定外の場所で残りのシーンのロケをするはめになったと。

●午後4時の少し前、スタジオの最寄り駅でHさんと落ち合うも、すごい雨。電車に乗った時点では全然降ってなかったのに、短時間で豪雨(しかも雷雨)に。改めて石川さんに電話してみると、ロケ隊もさらに遅れが出たようで、集合は5時でいいとのこと。

●結局、最初の予定より4時間遅れの5時に集合。この日は、内田春菊さんを迎えての撮影。春菊さんは、作品のかなり終盤で登場する「日本初の女性総理大臣」の役。そして私たちエキストラは、「総理にあれこれ質問する女性記者たち」の役。質問するだけでなく、国外逃亡しようとする総理に追いすがる、という動きもあります。

●ただまあ動きといっても、シナリオにも「追いすがる」としか書いてないわけだし、「総理~!」とか言いながらチョチョッと走って追いかけるくらいだろう‥と思っていたら。そのカットの撮影に入るとき、若い男性スタッフが、大きなマットを持ってきました。え、マット??

●撮影現場でマットというと‥‥。演者がバタッと倒れたり、ドサッと落ちたりするときに、怪我をしないように下に敷くものですよね。なんで、「追いすがる」のにマットが要るの?? すると監督が仰いました。「はい、次は、総理が記者たちを、突き飛ばしたり投げ飛ばしたりします」。え~、そんなの聞いてないですYO! などと言える雰囲気ではなく、黙って従うことに。そして私は、突き飛ばされる役‥‥。

●最初に監督が、春菊さんの代わりに総理の役になって、アクションの振り付けをしてくださいました。まずは口頭での説明。私の場合、段取りとしては、総理につかみかかる→突き飛ばされる→お尻から落ちる→クルッと立ちあがる→総理の右腕につかみかかる→次に左腕に‥‥というもの。これをワンカットで。素人にはけっこう難しい。

●そして次に、動いてみましょーということになり、まず私が監督につかみかかって突き飛ばされたわけですが、このとき私の落ち方が悪く、後頭部を床に打ちつけてしまいました。イデデデデ! しかし周囲の誰も心配していないし~、立ちあがろうとすると、普通にサッと立ちあがれるし~。結局、何事もなかったかのように(実際なかったわけですが)、撮影は続き、無事終了。

●内田春菊さんは、気さくで優しい方でした。監督にとっては、マンガの‥というか、ものづくりのお師匠さんに当たるわけですが、春菊さん、撮影現場ではあくまでも「いち出演者」という感じで、常に控えめな態度で監督に接してらっしゃいました。

●というわけで、ダラダラ続いた『レイプゾンビ』現場体験記、これにて終了。とにかくこの現場に関しては、「エキストラを2回やって、2回とも筋肉痛になった」というのが一番の思い出かも。西新宿で走りまくった時は、太ももの筋肉がすごく痛くなって、しばらくは歩きづらかったし、それがやっと治ったと思ったら、今度はスタジオでのプチ乱闘シーンで、体のあちこちが痛くなったし。(私にしては)体張ったぞ! ということです。

●最後に。シナリオは西新宿でいただいて、わりとすぐに読みました。面白いです。作品の完成が楽しみ。なおこの作品、製作会社名などから察するに、ピンク映画ではないようです。「ピンクじゃないけど成人指定(あるいはR-15)」といったところでしょうか。

※いろいろあったらしい御殿場ロケに関しては、前の記事に登場した「金沢在住のDさん」が、ご自身のブログで、4回に分けて詳しく書いてらっしゃいます。なぜか私と同じく本日完結(打ち合わせしたわけじゃないですよ~)→http://ameblo.jp/dyodiary/entry-10988048402.html

追記:監督ブログの現場報告ラスト記事、アメブロの検閲に引っかかったらしく削除されていたのですが、その後、監督が改訂版をアップしてくださいました→http://ameblo.jp/n-tomomatu/entry-10998526444.html

ゾンビ現場・その2

てなわけで、前回の記事(ゾンビ現場・その1)の続きです。
友松組『レイプゾンビ』撮影現場参加記録、その2。

【8/4(木)の現場】

●この日の私はエキストラではなく、見学者。なぜ、そういうことになったのかというと。(前の記事にも登場した)Hさんが、この日に出演される影山英俊さんの大ファンで、それを助監督の石川さんや友松監督にお話したところ、撮影を見学させていただけることになり、私も便乗したというわけです。(ちなみに今「助監督の石川さん」と書きましたが、この石川二郎氏はすでに監督としてのキャリアが長い方なので、あくまでも「今回の現場では助監督」という意味です。)

●影山さんは、数多くのロマンポルノに出演された俳優さんで、ロマポ大好き&日活大好きなHさんにとっては、まさに憧れの方! 私も、(彼女には到底かなわないものの)ロマンポルノは好きでわりと観ているので、朝からいそいそと、今日の現場である某地域センターへ。

●今回、影山さんは総理大臣の役で、記者会見シーンのみのご出演。シナリオには特に小道具の指定は無く、現場で急きょ「書類を手に持つ」ということになったのですが、室内に適当な紙類が見当たらず。どうしよう‥的な空気になった瞬間、Hさんがバッグからちょうどいい具合の紙束を取り出し、即採用! 次に、「ハンカチも持とう」ということになったのですが、これまた適当なハンカチが見当たらず、どうしよう‥的な空気になった瞬間、Hさんがバッグから地味な紺色のハンカチを取り出し、即採用! どちらも偶然持っていたそうですが、なんか凄い‥‥。

●影山さん出演シーンの撮影が無事終わり、サイン&握手&記念撮影タイムに突入。サインは2つ、書いていただきました。ひとつはHさんのぶん。もうひとつは、この日残念ながら来られなかった、「影山さん大好き~」な金沢在住のDさん(前の記事に登場したDさんとは別の男性)のぶん。ちなみに金沢のDさんは、友松監督の熱烈な支持者&研究者でもあります。

●その後は影山さんのご厚意により、ロビーに移動して、ロマンポルノ時代のお話などをたっぷり伺いました。このお話の内容は、いつか単独の記事として書きたいと思っています。
追記:1週間後に書きました、こちらです。)

●影山さんが帰られて、ふと気が付くと、すでに室内では別のシーンの撮影が始まっていました。今度はテレビ討論会のシーン。出演者は、里見瑶子さん(フェミニズム運動家役)、若林美保さん(医学博士役)、貴山侑哉さん(生物進化学者“フレッシュ後藤”役)、福天さん(環境評論家役)、そして男性エキストラの皆さん(ゾンビ役)。

●撮影中にドアを開けて室内に入るのは失礼なので、廊下でお昼頃まで、俳優さんたちの演技中の声を聴かせていただきました。特にビンビン響いてきたのが、里見さんの声。彼女の役柄がキツい感じのキャラだから、というのもありますが、それだけではないでしょう。里見さん、映画だけでなく演劇の世界でもずっと活躍してらっしゃるので、やはり声がよく通るんですよね。

●途中、監督がロビーで休憩されていた時に、少しお話しました。その中からいくつか。

●貴山さんの役名「フレッシュ後藤」は、『フレッシュ・ゴードン』から来ている。やっぱりね~。

●監督は、映画『Wの悲劇』がお好きだそうです。例の三田佳子(が演じた役)の有名なセリフ、「あなた、女、使ったでしょ?」を友松監督の口から聞けて、ちょっと得した気分。

●この日の現場については、監督ブログのこちらの記事もどうぞ→http://ameblo.jp/n-tomomatu/entry-10975541930.html

「その3」に続く)

ゾンビ現場・その1

 前の記事でチラッと書いたように、友松組『レイプゾンビ』の撮影に参加させていただいたので、その報告を。3回に分けて載せる予定です。
 なお、『レイプゾンビ』の内容や企画の成立過程については、友松直之監督ブログの、この記事をどうぞ→http://ameblo.jp/n-tomomatu/entry-10929036472.html
 
【7/31(日)の現場】

●朝早くから新宿西口に集合。私は知人女性Hさんと一緒に、街中ロケのエキストラとして参加。

●待ち時間には、初対面の方々からも興味深い話を聞いたのですが、ここではあえて、知人男性Dさん(友松組エキストラの常連さん)から聞いた話を書いておきます↓

●今日の男性エキストラ(ゾンビ役)は、ズボンの下にパンツを2枚履きすることになっていて、しかも肌に近い方のパンツは、できれば肌色のものが望ましいとのこと(ズボンと外側のパンツをズリ下げた時、何も履いていないように見せるため)。しかし肌色の男性用パンツなんて、なかなか売ってない。そこでDさん、白いのを買って紅茶で染めてみたところ、うまい具合に肌色に! (すごいにゃ~、この情熱、この工夫。)

●さてゾンビ軍団はズボンと外側パンツを膝まで下げ、撮影開始。彼らが女性陣を追いかけ回すシーン。場所を変えたりカメラアングルを変えたりしながら、いろんなパターンを撮る。そう、つまり、何度も何度も何度も、走り回らなければいけないのです。ゼエゼエ、ハアハア、脚イテテ。(私を含む)若くない人々はもちろんのこと、若い人々も、かなり疲れた様子。

●ところで、ここは西新宿の路上。道路の使用許可は取ったのかというと‥‥。現場では、他のエキストラの方から「許可は取ってあるらしい」と聞いたのですが、実際にはちょっと違っていたようです。なんでもスタッフが事前に許可の申請はしたものの、平日のうちに許可証を受け取りに行けず、要するに「申請手続きはしたけど許可証は無い」という状態だったそうで。警察の方、2回ほどいらっしゃいました。プロデューサーの池田さん(ゾンビ役のエキストラとしても活躍)が、ゾンビメイクのまま警官と話し込んでいたのが、おかしかったです。

●また西新宿ということで、東ほどではないけれど、けっこう人が通るわけで。皆さん私たちをニヤニヤ笑いながら見物したり、携帯で写真を撮ったり、中にはゾンビ軍団と一緒に記念撮影する人も。しかしいちばん印象的だったのは、ハイソな感じの年配のご夫婦。芝居している私たちを見て、本物の集団暴行事件か何かだと思ったらしく、旦那さんが「やめろ! 何してるんだ!」とゾンビ軍団を叱りつけたり、奥さんが「事件」として警察に通報しようとしたり‥‥。カットがかかって、スタッフ兼エキストラの女性が「撮影なんです」と説明するも、「ホントに? ホントに撮影?」となかなか信じてもらえず。最終的には誤解は解けましたが。

●話変わって。この日は、日本のホラー&特撮映画に詳しいアメリカ人記者のノーマン・イングランドさん(日本語かなりうまい)が、取材に来ていました。そして私はノーマンさんが、その日の唯一のメインキャストである倖田李梨さんに、しきりに話しかけているところを目撃。ノーマンさんの発言内容(一部)‥‥「さっきの芝居、うまかったよー」「ぼく『ファンゴリア』に書いてるんだよー」「ぼく『映画秘宝』の関係者と親しいんだよー」。ステキな倖田さんに対する、彼なりの自己アピール‥‥なのか?

追記:アップして数日経ってから知ったのですが、倖田さんは今度、高橋ヨシキさんの監督作品に出演されるんですね。それでノーマンさんは、『秘宝』関係者云々、と仰っていたのかもしれません。でも全体的に、ノーマンさんの喋り方が妙に張りきってる感じだったので、やはり自己アピールじゃないかと‥‥。はは。)

●その倖田さんは、TVレポーターの役。街の様子をレポートしている最中に、ゾンビ化した男性スタッフに襲われ‥というシーンの撮影で、彼女、路上にガッと倒れ込んでしまったのですが、すぐに笑顔で「全然痛くないです!」。芝居のうまさやスタイルの良さだけでなく、このタフさ&明るさも、彼女が多くの作品に起用される理由なのでしょうね。

●この日の撮影については、監督ブログのこちらの記事もどうぞ→http://ameblo.jp/n-tomomatu/entry-10971046180.html

「その2」に続く)

ゾンビの夏。

 近況報告。ここ最近、友松組『レイプゾンビ』の撮影に参加しています。エキストラやったり、見学したり。あともう1回(今日の午後)エキストラするので、全部終わったら、記事にしようかと。

 とにかくシナリオも面白い、現場も面白い。
 ちなみに監督は、血糊が大量に付着したジーンズを履いて演出中。そして表情や喋り方は明朗快活。相変わらず、不思議な人。

※追記(同日の昼ごろ)‥‥さきほどスタッフさんに確認の電話を入れたところ、ロケ隊に警察がらみのトラブル発生のため、午後のスタジオ撮影の集合時間を大幅に変更! とのこと。さてさて、どうなることやら~。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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