シネマルナティックについて、もう少し。

 前回の記事で触れた、松山のミニシアター「シネマルナティック」について、もう少し語っておきます。それにはまず、やはり前回チラッと触れた「フォーラム松山」の話から。
 
 「フォーラム松山」は、1988年の夏に開館しました。いわゆる単館系の新作や昔の名画を上映する劇場で、それまで松山にはそういうタイプの劇場が無かったため、地元の映画ファンに歓迎されました。
 私は当時すでに松山を離れ、東京に住んでいたので、フォーラムに「通う」ということはできなかったものの、帰省の際には何度か行きました。そしてその時に強く感じたのは、「経営的に大変なんやろな」ということ。例えば、東京で大ヒットして満席が続いているような作品でも、ほんの少ししかお客が入っていなかったのです。

 先に述べたように、地元の映画ファンはフォーラムを歓迎していたし、熱心に通っている方たちもいました。しかし残念ながら、その人数が少なかった。
 これは松山だけでなく、ほとんどの地方都市での傾向だと思いますが、「メジャー系以外の映画もマメにチェックして観に行く」という人は、本当に少ないのです。東京にはそういう人もたくさんいますが、地方では本当に少ない。

 映画に限ったことではありません。例えば展覧会。東京では、美術館や博物館での催しに大勢の人が詰めかけ、人の頭で作品がよく見えない‥なんてこともけっこうありますが、地方では、そんなことは滅多にない。
 ややマニアックなミュージシャンのライブや、劇団の公演などについても、同じようなことが言えるでしょう。

 そんなわけで、開館から2年と少しでフォーラムが閉館した時、私は「残念」とともに「やっぱり」という感想も持ってしまいました。
 そして友人から、「支配人さんは今後、広島のミニシアターで働くらしい」と聞き、その方はこの先ずっと広島や関西あたりのミニシアターで働くのだろう(松山よりは経営が安定しているだろうし)‥‥などと推測したものです。

 だからその後、松山に「シネマルナティック」というミニシアターができたと知った時も、まさかその「支配人さん」が松山に戻って始めた劇場だとは、まったく思いませんでした。
 これまた勝手な推測というかイメージとして、そのルナティックは若い新しい人たちがやっているのだろうと、なんとなく思い込んでいたのです。

 そして、前回の記事を書くために資料を読んで初めて、フォーラムとルナティックの支配人が同一人物(橋本達也氏)だと知り、驚きました。
 さらにフォーラムについて、創設者の方(酒井正則氏)が開館から約1年後に事故で急死され、彼の遺志を継ぐ形で橋本氏が懸命に劇場運営にあたったものの閉館に至ってしまった‥‥という経緯があったことも、知りました。

 つまり橋本氏は、松山でのミニシアター経営の難しさを、誰よりも骨身にしみて、よく分かっている方なのです。分かっていて、それでもなおルナティックを始められた。大変な覚悟のもとでのスタートだったと思います。
 しかも、経営状態は決して良くないだろうに、もう20年近くもルナティックを続けてらっしゃる。凄いことです。彼がここまで頑張れるのは、やはり今でも「酒井氏の遺志を継ぐ」という思いを持ってらっしゃるからでしょうか。

 
◆フォーラムやルナティックについての詳細は、以下のサイトをどうぞ。

フォーラム松山についてhttp://fukio.web.fc2.com/fukio/forum/forum.html
フォーラム松山の上映作品リストhttp://fukio.web.fc2.com/fukio/forum/forumlist.html(約2年間で287本も上映している!)
シネマルナティックについてhttp://fukio.web.fc2.com/fukio/lunatic/luna.html(このページには、シネマルナティック「河原町」と「湊町」の2館が記載されていますが、現在「河原町」は休館中。)
ルナティックの公式サイトhttp://movie.geocities.jp/cine_luna/index.html
橋本支配人のツイッターhttps://twitter.com/lunahashi
「シネマルナティックを守る会」のツイッターhttps://twitter.com/cinemalunatic
「シネマルナティック勝手に放送部」のブログhttp://ameblo.jp/lunatic-club/


※追記(5月16日)‥‥この記事に関する補足記事を書きました。こちらです。

松山の独特シアタービル

 先週、ちょっと松山に帰省していました。諸事情により長い間、帰省しても用事に追われることが多かったのですが、今回はやや状況が好転していて、少しはノンビリできたというか、散歩するくらいの余裕はありました。
 で、行ってみました。シネマルナティック。以前から気になっていたミニシアターです。

 残念ながら映画を観る時間は無かったので、外観を見ただけなのですが、この外観というか、シアターが入っているビル自体が素晴らしい! 
 なんと1つのビルの中に、大衆演劇の劇場とミニシアターと成人映画館が入っているのです。日本全国探しても、こういうところって、なかなか無いのでは?

 
 このビル、ちょっと離れたところから見ると、とにかく入口あたりの派手な「のぼり」が目立っていて。まるで、建物全体が大衆演劇の劇場、みたいな印象。
 しかしだんだん近づいていくと、単館系映画のチラシや上映タイムテーブルが掲示してあるのが見えてきます。で、ミニシアターが入っているのが分かる。

 そしてさらに近づくと、バーの立て看板みたいな小さな看板もあり。「湊町シネマローズ」と書いてあります。ただしこちらには、チラシもタイムテーブルもなし。上映作品のタイトルすら掲示されていない。営業時間と、「チケットは4階で」という簡単なお知らせのみ。
 
 「ムムッ、これってもしかして‥‥」。東京に戻ってからネットで調べてみると、やはりそうでした。成人映画館なんですね。「PG」の全国成人映画館リストには、なぜか載っていないのですが、「ポルノ映画館へ行こう!」というサイトの中国・四国地方上映館には載っています。
 
 でも、謎は多い(公式サイトとか無いし)。いったい、どんな作品を上映しているのか? 劇場名に「ローズ」とあるけど、ゲイ映画もやっているのか?
 えっと~。愛媛やその近辺にお住まいの、成人映画ファンの方! どなたか、シネマローズに潜入してレポートしてください。よろしければ。

 そして、愛媛やその近辺にお住まいの、単館系映画ファンの方。ぜひシネマルナティックに足をお運びください。
 まだ中に入ったことのない私が言うのは変かもしれませんが、上映作品やイベントの情報を見る限り、非常に意欲的な劇場だと思います。新作の先行上映や、関係者の方々のトークショーも、地方の劇場としてはかなり多いですし。例えば先日は、『戦争と一人の女』の先行上映&プロデューサー(寺脇研氏)のトークが行われたようですよ。

 80年代の終わり頃、松山には「フォーラム松山」というミニシアターがありました。
 当時すでに東京に住んでいた私も、帰省中に何度か行きましたし、地元の友人は、「友の会」に入って熱心に通っていました。いい劇場でした。
 しかし残念ながら、経営上の理由により、わずか数年で「フォーラム」は閉館してしまいました。
 「シネマルナティック」の支配人である橋本達也氏は、その「フォーラム」で支配人をされていた方だそうです。


 では最後に、関連リンクを。

「松山劇場」(大衆演劇の劇場)公式サイト→http://matsugeki.com/
「シネマルナティック」公式サイト→http://movie.geocities.jp/cine_luna/
「シネマルナティック」橋本支配人のツイッター→https://twitter.com/lunahashi
「シネマルナティックを守る会」ツイッター→https://twitter.com/cinemalunatic
「シネマルナティック勝手に放送部」ブログ→http://ameblo.jp/lunatic-club/

※追記(4月24日)‥‥シネマルナティックに関して、さらに詳しい記事を書きました。こちらです。

※追記(2014年8月)‥‥たまたま気付いたんですが、「PG」の全国成人映画館リストにも、いつの間にか「湊町シネマローズ」の情報が載っていました。
プロフィール

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。

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