『最近、蝶々は…』

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2014年  監督・脚本:友松直之  原作・出演:内田春菊  出演:後藤理沙、徳元裕矢、黒木歩、川又シュウキ、希咲あや、あん、金子弘幸、若林美保、朝霧涼 ほか
5/10(土)~23(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷にてレイトロードショー

公式サイト→http://chouchou-movie.com/
監督による解説など→http://blog.livedoor.jp/n_tomomatu/archives/38318184.html

 昨年秋の『出逢いが足りない私たち』に引き続き、友松監督から宣伝レビューを依頼され、サンプルDVDにて鑑賞。
 前回と同様に、宣伝だからといって褒めなければいけないわけではなく、何でも自由に‥‥とのことなので、ゆるい感想を書いておきます。

 この映画、カタカナを並べて表現すると。エログロでスプラッターでダーク・ファンタジー。ホラーと言ってもいいのですが、個人的な感触としてはダーク・ファンタジーかな、と。
 
 そして、とにかく中盤がグロい。ゴリゴリの人体破壊描写がしばらく続きますよ。血がドバ~、内臓ニュルニュル~。
 おそらく低予算なのに、特殊造型&メイクがなかなか良くできているので、かなりの迫力。というか、気持ち悪いです(わはは!)

 しかしそれは中盤だけで、あとは謎めいていたり、幻想的だったり、エロティックだったり。

 ヒロイン・留可はいつも、眠っている間にどうやら複数の男とセックスしていて、でもまったくその記憶が無い。どういうことなのか?
 ネタばれはしませんが、これはまあ「蝶々」のしわざなんですね。蝶々ってナニ? と気になった人は、ぜひ観に行ってください。

 そしてこの留可と蝶々を演じるのは、後藤理沙。
 実は私、彼女の映画デビュー作『ガラスの脳』(1999)を、封切時に観てまして。あのとき彼女はまだ10代なかば。ポカリスエットのCMにも出てたなあ。当時の彼女の可愛い姿、けっこう憶えてるんですよ。

 だから、この『最近、蝶々は…』の彼女を観て、「大人になったなあ」と。しかもこういう役柄なので、メイクも濃いめだし、怖い表情もするし、(当たり前ですが)昔とはずいぶん違う。

 でも。ときどき、ふっと少女の頃の面影が見える瞬間があるんですよ。たとえば、上のイラストに描いたシーン。
 ここでの彼女は(役柄として)けっこう邪悪なのですが、その邪悪さの中に、妙な可愛らしさもチラッと見えたりして。
 まあ、「邪悪だけど可愛い」というのは、結局「ものすごく邪悪で怖い」ということなのかもしれません。

 とにかく、その複雑な表情が魅力的だったので、イラストを描いてみたのですが‥‥あまりうまくいかなかった‥‥。「ちょっとだけ可愛い(少女っぽい)」というのが、すごく難しくて‥‥。
 でもまあ、この映画やヒロインの妖しい感じが少しは出せたような気もするので‥‥お許しください!

『生き残るための3つの取引』

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2010年  韓国  監督:リュ・スンワン  脚本:パク・フンジョン  出演:ファン・ジョンミン、リュ・スンボム、ユ・へジン、チョン・ホジン、マ・ドンソク、チョン・マンシク ほか

 数日前に、キネカ大森の韓国映画特集にて鑑賞。
 警察や検察の腐敗を題材にしていて、しかも結末にほとんど救いが無い作品。にもかかわらず、意外にそれほど暗くないというか、カラッと乾いた感触も残っています。

 なぜなのか、と考えてみると。
 まず、重め・暗めの内容でありながら、観ていて「ププッ」と吹き出してしまうような、「小さく笑える描写」が適度に入れてある、ということ。

 もうひとつは、主演2人のキャスティング&演技。
 ファン・ジョンミンとリュ・スンボムという、(おそらく)もともと明るさや軽快さを持った俳優が選ばれている。そして彼ら自身も、深刻になり過ぎない芝居をしている。

 ストーリー的には、ジョンミン演じる刑事は悲しい悪人であり、スンボム演じる検事はムカつく嫌な奴なんですが。キャスティングや演技によって、ふたり(刑事と検事)に、「滑稽さ」がかなり加わっているような気がします。

 ところで、今回のスンボムのイラストについて。
 彼、特にこういう表情の時は、吉岡睦雄に似てると思います。この手の顔って、見てると何となく描きたくなる。吉岡さんも、いつか描きます。

追悼 蟹江敬三さん

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 先月末に、蟹江敬三さんが亡くなりました。
 
 蟹江さんといえば。20年くらい前、蟹江さんの出演作の記者会見に行く機会があったのですが、そこでの彼のある発言(というよりも発言の仕方)が、今でも心に残っています。
 こんな感じの、やりとりでした。

記者 「今まで演じた役の中で、いちばん好きな役はどれですか?」
蟹江さん 「『十九歳の地図』という映画で演じた役です」(まったく迷わず即答!)

 普通、俳優さんはこの手の質問に対して、やや曖昧な答え方をするものです。やはりまあ、「特定の役柄(作品)だけをハッキリ挙げてしまうと、他の作品の関係者に悪い」という配慮もあるのでしょう。
 もちろん配慮も大事ですが、それでも私は、蟹江さんの、ものすご~くハッキリした答え方に好感を持ちました。率直で面白い方だな、と思いました。

 そして私の中では、蟹江さんの演じた役としては、『天使のはらわた 赤い教室』の村木が最も印象深い。だから、村木を演じた時の蟹江さんのイラストを、追悼として描きました。

 なお、5月9日~15日に新橋ロマン劇場で、「追悼 蟹江敬三特集」として、蟹江さんのロマンポルノ出演作のうちの3本(『天使のはらわた 赤い教室』『犯す!』『花芯の刺青 熟れた壺』)が、上映されるとのこと。
 私は、去年「ソネ・ラビリンス」で『赤い教室』が上映された時に行けなかったので、今回は行きたいな~と思っております。

※新橋文化・ロマン劇場の公式サイトhttp://shinbashibunka.com/index.shtml

『ドラッグ・ウォー 毒戦』

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2012年  香港・中国  監督:ジョニー・トー  脚本:ワイ・ガーファイ、ヤウ・ナイホイ、リケール・チャン、ユ・スィ  出演:ルイス・クー、スン・ホンレイ、クリスタル・ホァン、ウォレス・チョン、ラム・シュー、ラム・ガートン ほか
公式サイト→http://www.alcine-terran.com/drugwar/

 蟹江敬三さんが亡くなったので、蟹江さんの追悼記事も書きたいのですが、数日前からこの『毒戦』記事の準備をしていたので、とりあえずこちらを先に仕上げてアップしておきます。

 さて『毒戦』、実は観てからもうかなり日が経っています。全国的に、公開が終了したところも多いし。
 でも現時点で、地方ではまだ上映中のところもあるし、都内でも5月下旬にまた上映されるそうなので(下高井戸シネマ)、記事にしようかな、と。

 それにこの映画、日が経っても、けっこう印象に残ってるんですよ。まあジョニー・トーなので、ガン・アクションが派手でかっこいいとか色々あるんですが、とにかくスン・ホンレイ演じるジャン警部のキャラや捜査方法が独特で、魅了されました。
 キャラや捜査方法が独特といえば、やはりジョニー・トーの『MAD探偵 7人の容疑者』や『名探偵ゴッド・アイ』の主人公たちもそうでしたが、今回はまた別の独特さ。

 まずキャラに関して。例えば、ある銃撃戦での、ジャン警部の弾のよけ方。ちょっとビックリしました。車のアレをああいう風に使うとは‥‥。
 (未見の方は、何のことやらさっぱり分からないと思いますが、もし気になるようだったら、ぜひ作品を観てみてください。)

 そして捜査方法。麻薬組織の捜査をするにあたり、彼は、組織内の実在の人物(しかも複数)になりきって、潜入捜査します。「そんなこと、できるんかいな?!」と言われそうですが、色々あって、できるんです。
 こういうコメディ映画のギャグみたいなことを、(いちおう)シリアスな映画の中でやってしまうジョニー・トー、やっぱり面白いなあ。
 や、もちろん、この『毒戦』をコメディとして観る人がいたって、全然かまわないんですけどね。私自身も、ややコメディとして観たような気がするし。

 あと、個人的にツボにハマったのが、主役2人のキャスティング。捜査される側(麻薬組織の人間)を演じたルイス・クーと、捜査する側を演じたスン・ホンレイ。
 いいコンビです。
 
 このふたり、『強奪のトライアングル』でも共演していて、そのときも今回も、ひとまわりくらい歳が離れているように見えるんですが、実は同い年です。1970年生まれ。
 そしてふたりとも、経歴がちょっと異色。

 まずルイクーは、もとヤクザ。昔、谷垣健治さんがこの本の中で書いていました。
 谷垣さんによると、ルイクーは「まったく気どりがなくていいヤツ」、そして「あなどれない男」。なぜ「あなどれない」のかというと。事件や抗争の多いマカオでロケしたときでも、まったくビビることなく、ひとりでフラッとどこかに出かけたりしてたんだとか。
 なんか、かっちょいいなあ。

 で、ホンレイは、もとダンサー。日本でいえば「新劇出身の地味な演技派」みたいな顔をしているのに。意外ですよね~。ブレイクダンスのチームに所属していたそうです。
 たしかにYou Tubeで彼の動画をいろいろ見ていると、撮影の合間やイベントの時など、実にさりげなく踊っています。クルッとターンしたり、ブレイクダンス風の動きをしたり。
 これまた、かっちょいいなあ。

 ちなみにこのふたり、けっこう仲がいい、と聞いたことがあります。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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