「映画一揆」あれこれ

 しばらくピンク映画関連の記事が続きましたが、これは特に意図したわけではありません。この間、一般映画も観ていたし、演劇の話題を思いついた時もあったものの、何となくピンク方面のことを書きたかった‥という感じです。
 
 では、久しぶりに日本映画全般の話を。先日USTREAMで、「映画を作り続けることは可能か」と題されたトークイベントの模様を観ました。登壇者は、井土紀州・富田克也・七里圭・港岳彦・向井康介・松江哲明・佐藤佐吉。
 とにかく印象的だったのが、現在も継続中の某シリーズ映画の裏話。ある映画会社が、「低予算で、(濡れ場を入れるなどの)条件を満たしていれば内容は自由」というコンセプトのもと、複数の監督に競作させているシリーズなのですが、その1本あたりの予算額が‥‥激安。
 自主映画ならともかく、会社が監督にオファーして作り上映権などを持つ商業映画としては、信じられないくらいの超低予算なのですよ。この額だと、おそらくスタッフもキャストも、ノーギャラに近い形で働かなければならないでしょう。そしてオファーされた監督は皆、自主やピンクなど低予算映画で評価を得た人たち。

 かつては、低予算映画で評価された監督に対して、会社側が大きな予算でオファーする、つまりそれまでよりも良い条件・良い待遇を与えて育てる‥というのが主流だったはず。しかし最近はどうやら、会社側がそういう監督を、「育てるべき存在」ではなく、「便利な存在」だと思っているようです。
 現時点では、中規模以上の商業映画を撮っている監督の中に、自主やピンクなどの出身者もかなりいますけど、このままだと今後は減っていくのでしょうね。低予算から出発した人は、ずっと低予算のまま。そしてCMやテレビドラマなど、他の分野の出身者が、中規模以上の映画を任されることになりそうです。今でも既に、その傾向はありますし。

 ちなみに某シリーズ映画の件、実際のトークイベントでは、具体的な固有名詞や金額も織り交ぜつつ語られています。特に、七里監督の発言が非常に具体的。といっても単なる暴露話ではなく、切実な問題提起になっている(と私は思う)ので、興味のある方はご覧になってみてください。
 他の話題も含めて全部で2時間近くありますが、じーっと凝視する必要は無く、音声だけでも内容は分かるので、ラジオのように何か手作業をしながら聴いても、いいんじゃないでしょうか→http://www.ustream.tv/recorded/10735503

 ところでこのトークイベントは、「映画一揆」という特集上映を記念して行われたもの。そして「映画一揆」とは、ひとことで言うと、井土紀州氏の特集上映。
 井土氏は脚本家としては、瀬々敬久監督のピンク映画などを手がけてきましたが、監督としては、おもに自主映画を作り続けています。今回の特集で上映されるのは、いずれも自主制作の監督作品。現在、ユーロスペースのレイトショー枠で開催中です。詳しくは、こちらをどうぞ→http://spiritualmovies.lomo.jp/schedule.html

 ちょうど、今日と明日(16日と17日)の夜は、『ラザロ』3部作が上映されます。16日が「蒼ざめたる馬」篇と「複製の廃墟」篇、17日が「朝日のあたる家」篇。
 これらの作品、私は封切時に観ました。なかなか面白かったです。特に「朝日のあたる家」。当時、3部作すべてについて、かなり詳しい記事を書いていますので、よろしければそちらもどうぞ→http://kobiri.blog108.fc2.com/blog-entry-13.html
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サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
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