『エボラシンドローム 悪魔の殺人ウィルス』

1996年 香港 監督:ハーマン・ヤウ 脚本:チョウ・ティン 出演:アンソニー・ウォン

 先日の記事に登場したシネマヴェーラ渋谷。その公式サイトhttp://www.cinemavera.com/に、『館主のひとりごと』というエッセイが連載されています。これをずっと読んでいると、館主さんが実はアンソニー・ウォン特集をやりたがってらっしゃる‥ということが分かります。
 その特集がもし実現するのであれば、ぜひ上映していただきたいのが、『エボラシンドローム 悪魔の殺人ウィルス』。かなり前にビデオで観て、「今度はスクリーンで観てみたいナ」と思った作品です。とにかくエロ・グロ・バカと三拍子そろった、ある意味ゴージャスな映画。
 
 アンソニー扮する男が殺人ウィルスに感染するのですが、なんか知らんけど免疫があるとかで、弱るどころか異様にパワーアップして暴虐の限りを尽くし、ウィルスを撒き散らして香港の街をパニックに陥れます。
 単なる思いつきだけで作ったようなストーリーですが、ためらわずに徹底して突き進んでいくので、妙に爽快。中盤ではアフリカが舞台になっていて、無駄にスケールがデカいところも魅力です。
 
 いちおう実在のエボラウィルスが題材になっていますが、医学的リアリティなど(たぶん)ハナから放棄している映画なので、架空のウィルスだと思って観た方がいいです。ちなみにクシャミや息で感染する場面では、たまらなくチープな特殊効果が使われていて、呆れます。面白いけど。
 
 さて肝心のアンソニー。普通の俳優がこういう役をやると(あんまり、やる人はいないですが)頑張って狂気やヘンさを出している感じがするものですけど、彼の場合、頑張らずにボワッと役になりきっているように見えます。終盤で、「イ~~~ボラ! イ~~~ボラ!(エボラ、エボラ)」と不気味に叫びまくる姿も、ぜんぜん無理していない感じです。
 中・英ハーフの濃い顔立ちと長身を、「カッコいい」ではなく「怖い」の方面に活用しているアンソニー。その判断力と演技力に敬服です。『インファナル・アフェア』などでは一転してシリアスかつ繊細な演技を披露しており、まったく彼の演技の幅は広すぎることこの上なし、です。
 
 ‥‥などとアンソニーマニアみたいなことを書いてしまいましたが、実は私、あの『八仙飯店之人肉饅頭』を観ていません。まだまだ修行が足りないのです。シネマヴェーラの館主さん、特集実現、よろしくお願いいたします。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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