『ローグ アサシン』

2007年 アメリカ 監督:フィリップ・G・アトウェル 脚本:リー・アンソニー・スミス、グレゴリー・J・ブラッドリー 出演:ジェット・リー、ジェイスン・ステイサム、ジョン・ローン、石橋凌、ルイス・ガスマン、デヴォン青木、ケイン・コスギ  
全国各地で上映中 詳しくは→http://www.rogue-assassin.com/
 
 ジェット・リーが「リー・リンチェイ」だった頃の映画を楽しんでいた者として、「もう武術は封印する」みたいな発言をした彼の動向が気になっていました。また、その昔『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』でジョン・ローンに魅了された者として、彼の現在の姿にも興味がありました。この2人だけでなく、全体的に出演者の顔触れが面白いという点に惹かれて鑑賞(ちなみにジェット・リーがローグ役、ジェイスン・ステイサムが捜査官役、ジョン・ローンがマフィアのボス役)。
 しかし実際に観てみて色んな意味で印象に残ったのは、終盤のストーリー展開です。

 基本的には「相棒を殺されたFBI捜査官が、その犯行の容疑者である殺し屋ローグを執念深く追い続ける」というストーリーで、そこにジャパニーズ・ヤクザとチャイニーズ・マフィアの抗争が絡んできます。で、ラスト近くになって、いわゆる「意外な真相」がいくつか明かされるのですが、これらがどうにも取って付けたような感じなのです。
 まあ真相の内容自体は、ちょっと強引というか無理があるにしても、極端に突飛なものではないです。「実は宇宙人の陰謀だった」とか、そういうのではないですから。
 
 問題は、見せ方(語り方)。この手の真相というのは、序盤から綿密に伏線を張ったうえで終盤にジャジャン! と明かすべきで、そうすれば、観客は驚きとともに「なるほど!」と納得・感心できるのですが、この映画の場合、イキナリなんですよ。伏線らしきものは少しあったかなーという程度で、ラストちかくになって突然、いろいろ出てくるんです。だから観ている側としては、「急にそんなこと言われてもなあ‥‥」という気持ちになってしまうのです。 

 もちろん人によって受け取り方はさまざまですから、この「突然明かされ方式」はとにかくビックリできて刺激的だ、という方もいるでしょう。あるいは、「え? けっこう伏線、張ってあったよ」という方もいるかもしれません。
 これは言い訳なんですけど、実は私、この映画のトンデモ日本描写にかなり目を奪われていたので、そのせいで伏線を見落とした可能性もあります(もしそうだったらスミマセン)。
 例えば日本料理店やヤクザ組織の事務所で、なぜか壁に掛け軸みたいなのが大量に飾ってあって、まあそのこと自体すでに変なんですけど、そこに書かれている日本語が、さらに変。なんというか、場の雰囲気にまったく合わない言葉が書いてあるんです。「下手の横好き」とか。おかげでヤクザ対マフィアの抗争シーンでも、壁の方が気になってしまい、困ったり笑ったりしながら観ていました。

 さてジェット・リーは、ある程度のアクションは見せてくれますが、たしかにもう武術は披露していないです。本人の意向らしいので仕方ないとしても、やっぱり物足りないというか、もったいないというか。ただケイン・コスギとのバトルなど、「オッ!」と思うようなアクション・シーンが少しはあったし、彼の持つ冷徹な雰囲気は役に合っていたと思います。
 
 ジョン・ローンは、顔も体型も昔とそれほど変わっていません。でも何だか必要以上に、自分の若い頃の容姿に執着しているようにも見えます。今年で55歳という年齢のわりに髪の毛が妙に黒々としているし、ヘアスタイルも昔と同じだし、それに顔のシワが少なすぎるような気も‥‥。
 あまり若づくりせず、歳相応の渋みや「ほどよく枯れた感じ」を出した方が、俳優として長く活躍できるのではないでしょうか。いずれにせよ、若い頃に美形として脚光を浴びた人は、歳の取り方が難しいようです。
 
 リーとダブル主演のジェイスン・ステイサムは、イギリス映画界出身。総じてヨーロッパからハリウッドに来た俳優さんは、アカデミー賞を獲るような「演技派スター」を目指す傾向が強いのですが、彼の場合は好んでアクション映画への出演を続けている模様。まだ30代でスタイルもいいのに首から上がすごくオッサンぽいという点でも、面白い人だと思います。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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