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『22年目の記憶』

22年目の

2014年  韓国  監督:イ・ヘジュン  脚本:イ・ヘジュン、ペク・チョルヒョン  出演:ソル・ギョング、パク・へイル、ユン・ジェムン、イ・ビョンジュン、リュ・ヘヨン ほか
公式サイト→http://www.finefilms.co.jp/22nenme/
上映中または上映予定の劇場→https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=02LpWvvW


数日前にシネマート新宿にて鑑賞。
チラシや公式サイトは重厚な雰囲気を漂わせていますが、作品自体はそういう面もありつつ、コミカルで明るい要素も含んだ娯楽映画です。

1972年、南北共同声明が発表され、韓国は初の南北首脳会談に向けてリハーサルを行うため、北朝鮮の最高指導者・金日成の代役オーディションを密かに開催。
選ばれたのは、売れない舞台俳優・ソングン。
彼は役作りにのめり込み、金日成が乗り移ったかのような、やや異常な状態にまでなるのだが、代役が日の目をみることはなかった。
そして22年後、年老いて自らを金日成だと信じ込むようになったソングンと、彼に人生を狂わされ離れていった息子・テシクが、ある事情で同居することになり‥‥。

(ちなみに、南北首脳会談に向けて金日成の代役を立てた‥という部分は実話とのこと。)

ストーリー自体は非常にシリアスで、国家や政治に翻弄される個人の姿や、複雑な親子関係といったものが、丁寧に描かれています。
また、ソングンが元々シェイクスピア演劇をやっていたという設定で、『リア王』の台詞が重要な場面で効果的に使われていたり。

そういう重厚な要素もありつつ、細かい部分ではコミカルな要素も多いので、劇場では何度も笑いが起きていました。
ラストも、希望を感じるつくりになっています。
政治的な題材を扱ったシリアスな内容に笑いや明るさを織り込む、これなかなか難しいと思いますが、近年の韓国映画はこういうのが本当に上手いなーと感心。

ただ、劇伴の使い方が説明的というか、「ここは感動的なシーンですよ」「ここはコミカルですよ」と音楽で解説しているみたいで、そこはちょっと残念。

でも、全体的にはこの映画、好きです。
理由は息子・テシクの人物造形。

父親に振り回され人生を狂わされた息子が、どんな大人になるのか。
この「大人になってからのテシク」が、凄くいいのです。
激しく荒んでいるわけでもなく、かといって立派なわけでもなく、「ほどほどにダメ」な感じが却って切実!
彼が就いている職業も、極悪非道ではないけど決してマトモではない、絶妙な職業。
そしてこの中途半端にダメな男を、パク・へイルが好演しています。

もちろん父親(ソングン)役のソル・ギョングも、相変わらずの好演・名演。
中年時代から老年時代までを演じているのですが、老年時代の特殊メイクもなかなか良くできていて、実年齢はパク・へイルと9つしか違わないのに、2人が並ぶと、ちゃんと「複雑な親子」に見えます。

というわけで、パク・へイル&特殊メイクつきのソル・ギョングを描いてみました。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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