『グラインドハウス』

『プラネット・テラー in グラインドハウス』 2007年 アメリカ 監督:ロバート・ロドリゲス 出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス

『デス・プルーフ in グラインドハウス』 2007年 アメリカ 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル


 ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
 
 さて『グラインドハウス』。去年、六本木ヒルズのシネコンで上映していた頃は、今ひとつ観る気がしなかったのですが、年末年始に三軒茶屋中央劇場でかかっているのを知り、先日観てきました。なにしろ作り手側が、70年代頃のB級2本立て映画を再現すべく、わざとフィルムに大量の傷を入れたりして仕上げた作品なので、小奇麗なシネコンではなく、なるべく古い劇場で鑑賞したかったのです。

 まず『プラネット・テラー』は、ゾンビに片脚を食いちぎられた女性ダンサーが、義足の代わりにマシンガンを装着して戦うホラー・アクション。メインの女優さんたちが皆、美人でスタイルが良く適度に下品という、作風に合った理想的なキャスティングで、なかなか楽しく観ることができたのですが、ひとつ気になったことがあります。それは、フィルムに傷を入れたりして昔風の映像を目指しているわりには、SFXやVFXが今風だということ。
 
 人間がゾンビに変化する過程の特殊メイクとか、ヒロインがピューっと空中を飛ぶカットの合成とか、巧く出来すぎているような気がします。そもそもヒロインが義足がわりにマシンガンを装着した姿が、いかにも現代のCG技術できれいに処理した感じ。どうせならこれら全てを昔の特撮風に、仕掛けがややバレているような状態にしてほしかったです。

 つぎに『デス・プルーフ』は、車を武器に殺人を重ねている男が、タフな女性グループに逆襲されるカー・アクション映画。最大の見せ場であるカー・チェイスのシーンでは、「危険なスタントを実行し、それを撮る」という伝統的な手法をかなり尊重したようで、CGなどの新しい技術が目立つこともなく、映像的には、昔のこの種の映画を彷彿とさせる出来栄えです。
 
 しかし構成の面では、B級とか70年代とかは関係なく、ひたすら「タランティーノ映画」。とにかく会話シーンが多いうえに長く、その内容は、仲間うちのダラダラしたお喋りがほとんど。しかも今回は前半と後半で別の女子グループが登場し、どちらも延々と喋りまくるという、ガールズ・トーク2連発! になっています。
 そのため観ていてやや退屈する部分もあるのですが、彼の過去の作品でも分かる通り、ダラダラした会話の中にもちょっとした伏線が仕込んであったりするので、まあそれなりに観ごたえ(聴きごたえ)はあります。
 
 こうなったらタランティーノには、ありとあらゆるグループのダラダラ会話シーンに挑み続けてほしいですね。今までのところ、喋るメンバーは若者や中年が多いので、今後は「老人グループの会話」とか「男子小学生たちの会話」とか、どうでしょうか。
プロフィール

サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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