追悼 エドワード・ヤン監督

 先日『ラブ ゴーゴー』の記事の最後に、「エドワード・ヤンも、新作の情報を聞かないですよね。ううむ‥‥」と書いたばかりだったので、今朝ヤン監督の訃報を読んで驚きました。詳しい事情は分かりませんが、死因は癌ということなので、もしかしたら長いあいだ闘病生活を送られていたのかもしれません。
 
 ヤン監督は1947年、上海生まれ。育ったのは台北。台湾の大学を卒業後、さらにアメリカの複数の大学で、コンピュータ工学や映画を学んだそうです。
 経歴から察するに、この世代の人としては、かなり裕福な環境で育ったのではないでしょうか。実際のところは不明ですが、彼の作品には都市部の富裕層を描いたものが目立つので(『エドワード・ヤンの恋愛時代』『ヤンヤン 夏の想い出』など)、よけいにそういうイメージがあります。
 
 私がいちばん最初に観たヤン監督の作品は、『クーリンチェ少年殺人事件』。この映画の主人公の少年は、特別に裕福というわけではありません。しかし、彼が思いを寄せた末に殺してしまう同い年の少女は、彼よりも複雑かつ貧しい環境で生きていて、それゆえに大人びていました。
 「僕だけが君のこと全部知ってるよ、僕だけが君のこと助けてあげられる!」という少年の言葉に対し、少女はこう答えます。「私はこの世界と同じ。誰にも変えることは出来ない」。そのとき少年は、彼女がこれほどそばに居ながら自分とは全く別の空間で生きているような、そんな感覚に襲われたのかもしれません。
 
 エドワード・ヤン監督のご冥福をお祈りいたします。
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サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
twitter.com/saiboku_ya

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