戸川純

 「特にファンではないものの、昔から少しだけ気になっている役者さん」というのが何人か居て、戸川純もそのひとり。7月に出た彼女の自選ベスト盤『TOGAWA LEGEND』を人に借りて聴き、「♪隣りの印度人~」「♪樹液すする私は虫の女~」などのフレーズに懐かしさを感じつつ、ふとあることを思い出しました。
 
 昔、彼女が比較的テレビや雑誌によく出ていた頃、トーク番組か何かで、「『智恵子抄』の智恵子みたいな役をやりたい」と言っていたような‥‥。細部に間違いはあるかもしれませんが、とにかく正統派のシリアスなヒロインを演じたい、という意味の発言をしていた記憶があります。
 
 彼女は演劇の世界でも活躍しているようなので、もしかしたら既に舞台ではそういう役をやったのかもしれませんが、映画では多分まだですよね。私は是非観てみたいです。不思議ちゃん的なキャラクターで有名になった人ですが、普通にシリアスな映画に主演しても似合うんじゃないでしょうか。奇矯さの中に独特の暗さを秘めていて、しかもそれは「スクリーンに映える暗さ」であるような気がするので。

 ところで戸川純は一時期、『釣りバカ日誌』シリーズにレギュラー出演していましたよね。『TOGAWA LEGEND』の彼女自身によるライナーノートには、『鈴木建設社歌』の解説として、その裏話が書いてあります。
 なんでも山田洋次監督の『ダウンタウン・ヒーローズ』に小さな役で出演したとき、山田監督に「きみは何もしなくても、立ってるだけでおかしいね」と気に入られ、彼が脚本を担当している『釣りバカ』のレギュラーメンバーに抜擢されたそうです。
 
 つまり山田監督は彼女をコメディエンヌとして評価している、ということなのでしょう。ううむ。私としては、山田監督がシリアスな時代劇を撮るときにこそ、彼女をキャスティングするべきなんじゃないかと思うのですが。
 まあ彼ほどのベテランでなくても、正統派のカッチリしたドラマを撮る監督と彼女が組めば、いいものができそうな予感がします。最近はあまり体調が良くないらしいので、元気になったら、そういう映画に出てほしいなあ。
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サイボク

Author:サイボク
60年代後半生まれの♀。
東京在住。
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